【野球ビジョントレーニング】ブロックストリングの使い方

ブロックストリングでビジョントレーニング

最近、プロ野球だけでなく、大学生や高校生でもビジョントレーニングを積極的に取り入れている選手が増えています。

野球においてのビジョントレーニングと言えば、ベンチやネクストバッターサークルで、親指を立てて前後左右に目を動かしているシーンを目にしたことがある方も多いでしょう。

私たち人間は、生活の中で脳に入ってくる情報の80%以上は目からの情報が占めていると言われ、例えば道を歩いている時も、障害物やすれ違う人などを目で見た情報から衝突しないように判断が行われていますが、野球においても目は特に重要で、目が機能していなければピッチャーの投げるボールに上手くミートしたり、打球を上手く捕球することは困難です。

しかし、野球の練習と言えば、バッティングやピッチング、ノック、トレーニングなどメニューが主流で、野球において重要な目の能力を高めるためのトレーニングをすることはほぼありません。

こちらのページでは、野球でバッティングや守備の時に目を生かすための、ビジョントレーニングにおけるブロックストリングの使い方について解説しています。

ブロックストリングとは

ブロックストリングは、ビジョントレーニングに用いる道具で、紐に色がついた丸い玉を通したシンプルな構造になっています。

長さは60cmほどの手軽なものから、3mほどと長いものがあります。

このブロックストリングを使うことで、簡単に目のトレーニングを行うことができます。

ブロックストリングのトレーニングで鍛えられる目の動作

ブロックストリングでは、下記のトレーニングが可能です。

  1. 両目のチームワーク
  2. 深視力
  3. 跳躍運動
  4. 打者向けアレンジトレーニング

野球の試合や練習のウォーミングアップの他、雨でグランドが使えない時や自宅での練習メニューとして取り入れることで、ミート力向上が期待できます。

また、1日のトレーニング時間は10分ほどと短時間できるのもメリットです。

ただ、ビジョントレーニングは他のトレーニングと同様で、短期間で効果が出るわけではありません。

一度、練習方法を覚えれば小学生でも1人でできる上、場所を選ばずにできるトレーニングですので、ぜひ継続的に取り組んでみてください。

準備するもの

準備するもの
  1. ブロックストリング
  2. メトロノームのアプリ

メトロノームは音に合わせて焦点を変えるために使用します。
無料のアプリが配布させていますので、あらかじめインストールしておきましょう。

両目のチームワーク

人の目は、両目をうまく機能させることで、ピントを合わせたり、物を立体的に捉えたりすることができます。

両目のチームワークが苦手で、不均衡な状態になると、ピントが合わなかったり、距離感がわかりづらい状態となってしまいます。

ここで大切なのが、輻輳(ふくそう)と開散(かいさん)という目の運動です。

輻輳とは、いわゆる『寄り目』の状態のことで、近くの目標を両目で見る時の目の運動になります。

開散とは、『離れ目』の状態のことで、遠くの目標を両目で見る時の目の運動になります。

眼球を動かして開散と輻輳を繰り返す運動が下記の動きになります。

ブロックストリングを使った両目のチームワークのトレーニングでは、鼻先から真っ直ぐに伸びたブロックストリングのビーズに焦点を合わせ、繰り返すことで目の運動を行います。

メトロノームのアプリは1分に60〜80回程度に合わせて行い、慣れてきたら少しずつ速いテンポでできるようにしましょう。

練習パターン
  1. 赤 ⇨  ⇨  ⇨ 

深視力

深視力は、奥行きを把握するために必要な目の機能です。

上記のブロックストリングのトレーニングでも鍛えることが可能ですが、野球で生かすために、さらに遠い距離にも目標を置いて目を動かしてみましょう。

遠い目標までの距離は20m程度を参考に行ってみてください。

ポイントは、それぞれの目標にしっかりとピントを合わせることです。

やり始めの頃は、ピントを合わせるのに時間がかかる感覚がわかると思いますが、徐々に目の動きが良くなってくるとピントを合わせる時間が短くなってきます。

跳躍運動

目の跳躍運動では、顔を動かさない状態で左右上下ななめの方向に最大限動かします。

ブロックストリングを顔から20cmくらいの距離で、それぞれ左右、上下、ななめにセットして交互に目を動かしましょう。

顔を動かさず、目だけを最大限に動かすのがポイントです。

左右の目の動き上下の目の動きななめの目の動き

打者向けアレンジトレーニング

打者は試合前にブロックストリングを使ってイメージしておくと効果的です。

このトレーニングでは、顔は固定せずに行っても問題ありません。

力を抜いた状態で、投手のボールをイメージしたスピード感で行いましょう。

左右の投手などイメージを近づけてご自身で微調整を行いながら取り組んでみてください。

このように簡単なトレーニングですが、目の運動を意識的に行うことで、眼球の筋力を鍛えたり、眼のピントを素早く合わせられるようになります。

継続的に取り組んで、打率アップ、ミート率アップを目指しましょう。