突然、自分が野球指導者に!
あなたは突然野球指導者を依頼されたらどうしますか?
高校野球や少年野球の指導者の多くは、特別に野球指導者の資格を持っていなくてもなることができます。
例えば、高校野球の場合、高校側が外部指導者を受け入れていれば、教員免許がなくても指導者として教えることが可能です。
また、少年野球の場合であれば、ボーイズリーグやシニアリーグなどの硬式野球チーム、学童野球などの軟式野球チームで指導者として教えることができます。
つまり、指導者になるためには、ライセンスや資格などがなくても、野球指導者になることは可能です。
(※ 一部の連盟では、講習の受講などが義務化されています)
さて、突然、少年野球の指導者を依頼されたあなたは、きっと楽しみがある一方、少なからず不安も感じているかもしれません。
しかし、大丈夫です。
実は、現在、少年野球の指導者をしている方は、必ずしも自ら希望して指導者になっている方ばかりではないからです。
高校野球の指導者の場合、学生の頃から高校野球の監督になりたいという本人の希望から、教員免許を取得し、職務として野球指導者になるのが一般的です。
しかし、ボーイズやシニア、学童など、少年野球の指導者は、ボランティアがほとんどで、過去に在籍していたチームやその関係者から、指導者の依頼を受けて監督やコーチになったというケースが多くあります。
また、自分の子供が野球チームに入り、指導者不足から、父兄コーチをやらざるを得なくなったというケースも増えています。
そのため、突然自分が考えてもいなかった少年野球の指導者を任されることになります。
そして、指導者になると、必ずつまずくのは、選手に教える難しさを実感することです。
特に、小学生や低学年の世代は、バッティングの教え方、キャッチボールでの投げ方など戸惑う方が多いようです。
自分がプレーしていた時とは違い、野球を子供たちに教えるというのは、自分がプレーする以上に難しいことです。
また、ご自身が野球未経験の方は、まともにルールすらわからないと戸惑っているかもしれません。
しかし、何度も全国大会に出場するチームの指導者であっても、指導者としてのスタートは初心者でみなさんが同じです。
そして、野球経験者であっても、複雑な野球ルールのすべてを理解している人は多くありません。
こちらのページでは、野球指導者をお願いされた方や、野球指導者を始めたものの、指導方法などに悩んでいる方、父兄コーチで不安のある方に向けて、指導者の心得やつまずきやすいポイント、教材などを紹介しています。
指導者としての心得
野球の指導者としての心得を5つご紹介します。
指導者をしている中で、思ったようにいかず、悩むこともありますが、そのような時は、下記の心得がきっと解決の糸口になると思います。
選手を主体に考える
指導者は、チームや選手に責任を持って指導するという意味においては、選手よりも上の立場になります。
しかし、たとえボランティアの指導者であっても、選手が主体であることを忘れてはいけません。
指導者が主体の野球になってしまうと、選手に無理をさせて怪我をさせてしまったり、試合に勝つことが目的となってしまい、選手が純粋に野球を楽しめなくなります。
そして、一方的に指導するだけでなく、選手がどのように考え、どのような感覚でプレーしているかを聞いてあげることも必要です。
なぜなら、指導者は教えているつもりでも、選手が理解できていなければそれは適切な指導とは言えません。
指導者は、あくまで選手をサポートする立場で、選手が主体であることを忘れないようにしましょう。
選手のレベルに合わせる
小学生、中学生の時期は、選手の成長スピードに大きな個人差が出る時期です。
特に身体能力においては、成長期が早く訪れる選手もいれば、遅い選手もいます。
また、技術面においても、うまくできる選手もいれば、簡単なことのようでもなかなかうまくできない選手もいます。
年齢に応じた野球技術を、みんな平等に身につけさせたいと考えることは間違いではありませんが、すべての選手が同じレベルではありません。
指導の際は、選手の年齢や能力に応じて、理解しやすい言葉や、できる限り見本になる動きを見せながら丁寧な指導を心がけましょう。
例えば、小学生の低学年には、野球の楽しさ、面白さを知ってもらう時期です。
特に、バッティングは楽しさを一番感じることができる練習です。
バットになかなか当たらない子どもでも、段階を踏んだ練習を取り入れる事でどんどん上達します。
初心者でもバッティングのミート率をあげるための練習方法
選手自身が成長を感じられるように、選手個々のレベルに合わせてアドバイスできる指導者が、良い指導者への近道と言えます。
チャレンジを推奨し長所を見つける・褒める・認める
指導者の中には、選手の失敗ばかりに目が行き、選手を責めたり、過剰に叱ったりする方がいます。
選手の足りない部分を指導するのは良いことですが、ダメなところを指摘するだけでは選手は上達しません。
指導者は、上達する方法を指し示し、導いてあげることが大切です。
普段から、選手を叱る前に、指導者自身が適切な指導ができていたのか?を、まずは自分に問いかけることも必要です。
また、選手の良い部分はその選手の長所です。
指導者が、選手の長所を把握しておくことで、試合でも生かすことができます。
他の選手よりも走るのが遅い選手でも、チャンスに代打を任せられる選手かもしれません。
1点が欲しい時に適切な指示を出せるランナーコーチとして重要な役割を任せることができるかもしれません。
指導者として、選手の長所を見つけ、褒めて、認めてあげることで、選手は自信を持ってチャレンジすることができます。
失敗したくて失敗する選手はいません。
失敗を叱るばかりでなく、選手が勇気を持ってチャレンジした姿勢を褒めるようにしましょう。
練習メニューは課題から考える
野球では、打撃、守備、走塁などプレーの中でたくさんの知識や動作に加え、瞬時の判断が必要です。
練習メニューは、チーム全体と選手それぞれの課題を見つけ出し、試合に向けて計画性のあるメニューを組むようにしましょう。
試合後は、良かったところ、課題が残ったところをミーティングで丁寧に説明し、次に向けて目標設定をします。
行き当たりばったりの練習では、選手たちは何のための練習なのか、いつに向けての練習なのかを理解することができなくなってしまいます。
球ログのサイトでは、野球がうまくなる記事で練習に役立つコンテンツを配信していきますので、参考にしてみてください。
参考になる教材
【小学生】22のバッティングドリル
【中学生向け】24のバッティングドリル
【高校生向け】22の科学的練習ドリル
2019年版☆現役少年野球監督が教える、強豪クラブチームの正しい少年野球指導法・練習方法
2019年度版☆野球未経験のコーチに贈る驚きのバッティング上達法&野球ルールブック
指導者自身も成長する
成長するのは選手だけではありません。
野球指導者としてはもちろん、指導者自身も、人として多くのことを学び、成長できる機会です。
今の自分に満足することなく、野球の知識や指導方法、コミュニケーションなど、野球指導者として、どれだけ成長できているか?を振り返ると自分自身の成長度合いも実感できます。
指導者をしていると、悩んだり悔しい思いをすることも多くありますが、選手と共に自分が成長することで、苦労した以上に楽しい思いとやりがいを感じることができるようになります。
また、成長しているあなたをきっと選手たちは待ち望んでいます。
野球指導者になる方の知識
野球のルールは毎年変わる
2018年のシーズンには、プロ野球で審判のジャッジに対して検証を求める「リクエスト制度」が導入されました。
また、その前にはホームベース周辺でのクロスプレーに対して、いわゆる「コリジョンルール」が適用され、右投手の3塁への偽投が禁止になるなど、プレーに大きく関わるルール改正がありました。(アマチュア含む)
このように、プロ野球だけでなく、高校野球や中学野球、少年野球においても、野球のルールは毎年見直され、変更になることは珍しくありません。
それぞれ、年度毎に大きな変更があれば、所属している連盟や団体から通知があるのが一般的ですが、指導者として基本的なルールは知っておいた方がよいでしょう。
そこで、日本プロフェッショナル野球組織と、全日本野球協会が編集した、公式ルールブックが”公認 野球規則”です。
購入の際は、必ず年度を確認し、最新版であることを確かめた上で購入しましょう。
また、それぞれ出場する大会毎に大会規定も存在しますので、各大会のパンフレットなどで事前に確認するようにしましょう。
特に少年野球の場合、投手の連投や投球イニングの制限、試合時間などが決まっていることもあるため、後から慌てないように、必ず大会毎にルールをチェックするようにしましょう。
そして、少年野球においては、指導者や父兄が審判を務めることもあります。
そのような場合は、ルールだけでなく、審判の動きやジャッジの方法などを知っておく必要があります。
講習会だけでなく、書籍でも見直しておくことで正しいジャッジができるように備えましょう。
また、「わかりやすく審判の動きを解説してくれている動画」もあります。
その他、グランド作りのためには、ベースを設置したり、ラインを引く必要がありますので、塁間や投球間についても確認しておきましょう。
こちらのページでグランドの寸法やバッターボックスのライン引きなどをまとめています。
野球指導者の指南書
さて、あなたが指導者になると決まった今、あなたは実際に指導者になった時のシーンをたくさん想像していると思います。
- 練習は何時から何時まで?
- どんな練習をやればいいのか?
- 選手のポジションは?打順は?
- 試合の時のサインは?
他にも考え出したらキリがないくらい、指導者として準備しておくべきことがたくさんあります。
しかし、その中でも最も大切なことがあります。
それは、上でもお伝えしましたが、主役は選手であって、決して指導者が主役ではないということです。
指導者はあくまでも選手をサポートする立場であり、選手がもっと野球を好きになり、体力、技術面だけでなく、野球を通じて人としても成長できるような指導が求められます。
試合では、絶対に勝ちたいという場面も出てきますし、指導方法や野球技術においても様々な意見が出てくるでしょう。
ただ、試合に勝つ以上に、とても大切なことがあります。
こちらの書籍「球育 年中夢球」では、野球指導者や野球少年の親御さんに向けての心構えが書かれています。
これから指導者を始める方はもちろん、すでに指導者をしている方や野球をしている子供を持つ親御さんにもおすすめの本です。
野球指導者としての方針をしっかりと持ち、親御さんの気持ちも考えながらコミュニケーションをとるようにしましょう。
投球数について
夏の高校野球でもよく取り上げられるのが、投手の投球数についての問題です。
野球の国際大会では、投手の投球数に制限を設けていることが多いですが、高校野球では、現在のところ球数制限がないため、一人の投手が連投となると、肘や肩に負担がかかるため、どうしても故障に繋がりやすくなります。
少年野球においては、一部の連盟で、投球イニングや連投についての制限があるため、一人の投手が過度な球数を投げることは少なくなっていますが、未だそのような制限がない連盟もあります。
特に学童野球では、野球人口の減少にも影響され、試合に勝つためにも、一人の投手の負担が大きくなることがあります。
確かに試合に勝つことは、選手のモチベーションにも繋がりますが、今一度、故障を防ぐための適切な投球数について知っておきましょう。
下記は、アメリカのでの投球数のガイドラインになります。
選手の肘や肩に過度な負担がかからないよう、故障を防ぐためにも投球数の基準を知っておきましょう。
ノックがうまくできるだろうか?
野球初心者の方
野球の練習で、どのチームでも取り入れている基本メニューにノックがあります。
ノックを打つのは、野球経験者であってもコツを掴むのに少し時間がかかります。
特に、外野ノックにもなれば、飛距離のあるフライを打つ必要がある上、ボールコントロールも難しくなってきます。
注意して打たなければ、内野の選手にボールが当たることもあり、選手にケガをさせてしまう可能性すらあります。
そこで、初心者の方は、まず短めのバットで内野ノックからはじめることをおすすめします。
ノック専用のバットはスポーツ店でも売られていますが、必ずしもノックバットでなくてもノックは可能です。
特に学童野球においては、選手が使っている小学生向けのバットで全く問題ありません。
まずは、軽くて短いバットで、ボールをコントロールできるようになりましょう。
中学生以上を指導する方
中学生にもなると、体も大きくなり、打球速度や飛距離も伸びるため、ノッカーもより高いレベルが求められるようになります。
守備練習では、やはりノックは欠かせない練習であり、指導者には、ノックでボールをコントロールする能力が必要です。
正面の簡単なゴロはもちろん、守備範囲ギリギリの所に打ったり、外野手を背走させるような大きなフライを打つことで、選手の守備力を鍛えることができます。
中学生以上の選手に向けてノックをする場合は、ノック専用バットがおすすめです。
上手くノックができるようになるためには、繰り返してノックを打つしかありません。
選手と共に成長できるように練習に励みましょう。
さらにノックのレベルを上げたい方
ノックの美技と言えば、何と言ってもキャッチャーフライでしょう。
甲子園のシートノックでも見られる光景ですが、最後のキャッチャーフライが真上に打ち上がるかどうかは、大きな注目を集めます。
真上に高いキャッチャーフライを打つ技術は、ノックがうまい指導者の証とも言えます。
そこで、ノックの技術をあげたいという方に向けられて作られたのが、野球ノック上達革命~ノックに特化した指導者向け上達法です。
こちらのDVDは、元千葉ロッテの初芝清氏が監修し、ノックでのゴロの打ち方やフライの打ち方などうまくノックを打つためのポイントがまとめられています。
ピッチャーと内野手の連携プレーを強化する
うまくノックを打つ技術の必要性については、上記で解説しましたが、ノックにも様々なノックがあります。
特に、野球のレベルが上がってくるに連れて、欠かせない練習が投内連携です。
投内連携とは、ピッチャーと内野手が連携しながらアウトをとるプレーです。
例えば、二遊間のファーストゴロに対して、ピッチャーがファーストベースカバーに入ってアウトにするプレーや、サインプレーで内野手の動きに合わせた牽制などが投内連携にあたります。
このようなかなり複雑な党内連携のプレーは、バックアップやカバーリングなど、個別で基本となる動きを知っておく必要があります。
それらの投内の連携プレーの練習方法を紹介しているのが、野球バッテリー上達革命~精度を高める投内連携~です。
こちらのDVDは、元千葉ロッテの青松敬鎔氏と木村優太氏が監修した教材になります。
選手主導で強いチームを作る方法
野球の指導者として、チームが強くなることは何よりも嬉しいことです。
しかし、もっと大切なことは、選手自身が成長することでしょう。
いくら技術があっても、指導者の言うことばかりに従い、自分では何も考えられない選手は、後々必ずつまずきます。
野球を通じて、自分で考える力をつける選手を育てることは、試合での勝敗よりも大切なことです。
では、どのような練習に取り組めば、選手たちが自発的に考え、結果にも繋がる練習ができるのでしょうか?
元巨人の投手でもあり、現在はボーイズリーグで指導者をしている前田幸長氏は、わずか創部3年で、全国制覇を達成します。
そこには、昔ながらの少年野球にありがちな、大声で叱りつけるような指導方法ではありませんでした。
こちらの前田幸長の強豪チームの作り方では、わずか3年で全国制覇したチームを作るために行った練習メニューがわかりやすく解説されています。
野球で必要なメンタルトレーニング
野球は「間のあるスポーツ」と言われます。
その理由は、ピッチャーが投球するまでの時間や攻守交代の時間があり、守備側、攻撃側共に時間を使って次の作戦を考えることができるからです。
そのため、相手の心理をついた作戦や、相手の勢いに吞まれないような強いメンタルが必要なスポーツです。
昔は、「根性でなんとかしろ」といった指導者の声が飛ぶことも珍しくなかった時代がありましたが、最近はメンタルトレーニングを練習メニューのひとつとして取り組むチームが増えてきました。
これは、技術や体力の練習を繰り返すだけでは、選手のパフォーマンスを最大限に生かすことはできず、精神面も意識的に鍛えることによってより選手の能力を発揮させようと意図があるためです。
技術や体力はあるはずなのに、重要な試合ではなかなか結果を残せないと言う選手には、メンタルトレーニングが必要なのかもしれません。
そのような悩みを持った指導者には、「試合で自分の力を100%発揮する」高畑式メンタルトレーニングというDVDがおすすめです。
こちらのDVDでは、250名以上のプロ野球選手に対して、メンタルトレーニングをおこない、数々の書籍も執筆しているメンタルトレーナーの高畑好秀氏の理論と解説がされています。
本番にとことん弱いといった方は、ぜひ「試合で自分の力を100%発揮する」高畑式メンタルトレーニングを参考にしてみてください。
野球に関する教材
バッティング
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【中学生向け】24のバッティングドリル
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