腕の振りを良くする体の使い方と練習方法

野球では、ピッチャーが腕が力を入れなくても振ることができたバットが自然に出てきたといった表現が使われることがあります。

これらは、全身の力が連動して動くことによって起こる感覚です。

今回は、意識をして力を入れなくても、自然と腕が振れるようになる体の使い方と練習方法を解説します。

自然に腕が振れるとは?

自然と腕が振れるような感覚は、腕を振ることを意識せず、下半身や体幹をうまく使って投げることができている状態と言えます。

例えば、腕の力を8割で投げる選手と、腕の力は2割、残りは体幹や下半身の力を使って投げる選手を比べると、後者の方が、より体の中心に近いところを使って投げることができているため、肩や肘への負担も少なく、ケガのリスクも減らすことができます。

また、負担が少ないということは、より多くの球数を投げることができるため、長いイニングを任せられるピッチャーにもなれます。

腕が自然と振られるためには

練習の前に、実際に腕を振っている状態と腕が振られている状態を体感して見ましょう。

まず、両腕両足を広げ、腕を左右に振ってみてください。

すると、腕に肩やお腹が連動して左右に振られるようになります。

これが、腕を振っている状態です。

次に、腕が帰ってくるタイミングで、お腹や足に力を入れて、反対方向に戻してみてください。

すると、捻られた体が元に戻ろうとするため、バネのように腕も反対方向に振られてきます。

このバネを使ったような動きが、腕の力で振るのではなく、下半身や体幹の力で腕が振られている状態になります。

体の感覚も、先ほどまでとは違う感覚になったのが、体感できるかと思います。

この感覚を覚えておきながら、次の練習に進みましょう。

腕が勝手に振られる感覚

手を上に、肘を90度にした状態で、体を左右に振ってみましょう。

そして、腕が後ろにいった時に、お腹や足に力を入れてください。

すると、バネのような動きで、腕が勝手に前に戻ってきます。

さらに上手にするためには、胸郭を使い、おへそと肘の距離を遠くに広げます。

ただし、注意点として、胸を開くのではなく、腕が後ろに取り残されないようにすることが大切です。

胸を開くことばかりを意識してしまうと、腕が後ろに取り残され、肩肘の負担が大きくなってしまいます。

ケガにもつながる可能性があるので、注意しましょう。

この感覚が正しくつかめるようになったら、実際にボールを投げてみましょう。

ボールを投げる時は、お腹の力に意識を向けるようにしましょう。

この投球方法を身につけることができれば、下半身と体幹が連動して腕の力を入れなくてもキレのあるボールを投げることができるようになります。

今回は、下半身と体幹を使って、自然と腕が振れるようになる体の使い方と練習方法を解説しました。

下記の動画ではさらに詳しく説明していますので、ご覧ください。

引用:https://www.youtube.com/watch?v=6au1GvGPmDo

森 洋人 もり鍼灸整骨院

Youtuber

野球肘・野球肩などを投球動作から根本的に治す治療家。
京都市・もり鍼灸整骨院の院長の他、野球教室などでも投球動作の指導を行う。
樟南高校で甲子園出場ベスト8進出・鹿児島県沖永良部島出身。