野球のピッチャーには色々なタイプがいますが、ピッチャーを始めるとやはり速いストレートを投げたいと思うものです。
小学生の学童野球では、最速で120kmを超える選手が出てきたり、中学生の硬式では140kmを超えるピッチャーが出てくるのは、今の時代、数は少なくとも珍しくありません。
高校野球ともなると、150〜160kmに到達するストレートを投げるピッチャーも出てきています。
しかし、そのような、速いストレートを投げる本格派投手と対戦する機会は限られており、大会での一発勝負ともなると簡単に打ち崩すのは難しいでしょう。
そのため、速いストレートを投げるピッチャーに対応するためには、あらかじめチームで対策を取り入れ、普段の練習や試合前の練習の中で取り組む必要があります。
小学生から高校生まで、年齢によって球速は変わるものの、このページでは、速いストレートに対応するためのバッティングのポイントを解説しています。
早めに始動して早めにトップを作る
バッターにとって一番大切と言っていいほど、重要なポイントがトップをしっかりと作ることです。
しかし、トップの形がしっかりできていても、トップを作るタイミングが遅れてしまうと、十分に準備する時間がなくなるため、力のないスイングをすることになります。
特に、速いストレートを投げるピッチャーと対戦する時に、普段と同じタイミングで始動してしまうと、慌ててトップを作ることになり、手もしくは上体だけで打ちにいくことになります。
つまり、速いストレートに対応するためには、トップの形を早めに作る必要があります。
まずは、速いストレートを投げるピッチャーと対戦する時は、投球モーションに入ったら、すぐに始動を開始し、トップの形を早めに作るようにしましょう。
早めにトップを作ることで、速いストレートを打ち返すための準備ができるため、下半身を使った自分のスイングをすることができます。
また、このトップを作るタイミングは、試合中に打ち崩せない投手に対しての修正点として、必ず常に見ておく必要があります。
球速は速く感じないものの、なぜかストレートに差し込まれてしまう場合などは、トップを作るタイミングが遅れている可能性があります。
特に指導者は、選手がトップから振り出すまでの時間が十分に取れているかを確認し、速いストレートに対応できるようにアドバイスしましょう。
高めを捨てて膝元のボールを狙う
速いストレートを投げるピッチャーのボールには球威があります。
そのため、高めのボール球でも、つい振りに行ってしまうことがあります。
プロ野球でも、あきらかに高めのボール球でもバッターが空振りしてしまうことがありますが、球威のある高めのストレートを打ち返すのは、プロの選手でも簡単ではありません。
そのような時に、バッターが意識するべきことは、ベルトから上のボールを捨てて、膝元のストレートを狙うことです。
なぜなら、球威のあるピッチャーでも、ベルトの高さ周辺のストレートは球威がありますが、膝元のボールは若干球威が落ちる傾向にあるからです。
膝元のストレートを狙うことで、球威のある高めのボールに手を出すことを防ぎ、速いストレートを打ち返すことが可能になります。
また、膝元のボールを狙う時は、重心を低くして足を開き、ノーステップで打つ作戦も有効です。
狙い球をストレートに絞る
中学生にもなると、球種はストレートだけでなく、カーブやスライダーなど様々な変化球にも対応する必要が出てきます。
また、学童野球でも、速いストレートとスローボールをうまく使い分ける投手がいます。
そのようなピッチャーに対して、なかなか打つのが難しいと感じた時には、2ストライクに追い込まれるまで、狙い球をストレート一本に絞るという作戦があります。
狙い球をストレートに絞る場合は、バッターボックスの後ろ(キャッチャーに近い位置)に立ち、できるだけ長い時間ボールを見るようにしましょう。
バッターボックスの後ろに立つことで、ピッチャーよりに立つよりも、ボール10個分ほど、距離を長くとることができます。
ピッチャーからの距離が、ボール10個分も変われば、スイングの準備をする時間と変化球を見極める時間も長くなるため、球種をストレートに絞って打ち返せる可能性が高くなります。
動体視力を鍛える
野球は、バッティング、守備、走塁など、それぞれ目で見て判断するケースが多く、目を多く使うスポーツと言えます。
バッティングにおいても、速いスイングやパワーがあれば良いのではなく、ボールにミートしたり、コースを見極めるなど、良いバッターになるためには動体視力がとても大切になります。
動体視力とは、目の検査などで一般的に行われる視力検査ではなく、動くものを目で追って認識することができる能力を言います。
例えば、蚊が飛んでいた時に手で叩きたいと思っても、見失ってしまう人がいる一方、動体視力が良い人は、飛んでいる蚊を見失うことなくずっと目で追うことができます。
野球でも、このようにボールを目で捉える動体視力が良ければ、速いストレートや鋭い変化球でも打ち返すことができるようになります。
最近は、プロ野球や高校野球でも、動体視力を意識するため、試合中に簡単なトレーニングを取り入れている選手も増えてきています。
試合中や雨の日、1人でもできる動体視力の簡単なトレーニングについては、下記の動画が参考になります。
また、技術を使った特殊な動体視力トレーニングメガネを使って動体視力を鍛える方法もあります。
プロ野球の近藤健介選手や上林誠知選手が使っているがこちら
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速い球を打つ練習をする
最後は、上記のポイントを取り入れて、実践的な練習をすることです。
バッティングマシンがあるチームは、球速を相手ピッチャーに合わせて、速いスピードに設定し、選手それぞれが自分のスイングをできるように打ち込みを行います。
また、学童野球などバッティングマシンがないチームの場合、近い距離からピッチャーが投げることで、実践的な練習をすることができます。
ただし、近い距離から投げる場合は、防球ネットを適切に設置したり、ヘルメット、マスクをつけるなど、選手の安全面には十分に配慮して練習するようにしましょう。
ぜひ、速いストレートに対応し、打ち返す方法を実践して、試合に備えましょう。