打てるバッターになるためには、下半身から上半身にうまく力を伝達し、体全体を使ったバッティングが必要です。
この記事では、バッターが上半身をうまく使うために必要な3つのポイントを解説しています。
自分のバッティングフォームの中で、この3つの重要なポイントができているか?
また、指導者の方は、選手にバッティングを教える際の大切なポイントとして、確認してみてください。
「割れ」の時の上半身の使い方
1つめのポイントは、「割れ」の動作の時の上半身の使い方です。
下半身から上半身へと力を伝える時に、必要な動作が「割れ」の動作です。
この「割れ」とは、下半身と上半身がねじれた状態を指しますが、上半身がどのような状態であれば良いのかを確認しましょう。
バッティングでトップの後、足を踏み込むステップをつくり、次に下半身の体重移動へと移っていきます。
この時、ステップした足に対して、上半身の角度に注目しましょう。
良いバッターは、足のステップに対して、上半身は、少し背中をピッチャー側に向けた角度になります。
また、同時に前の肩は、自然と顎に寄る動きになります。
この動作によって、下半身と上半身のねじれが生まれ、ねじれの反動を利用して、より大きなパワーを生むことができます。
ただし、ねじれが大きくなりすぎると、逆にパワーをロスしたり、タイミングよくミートすることが難しくなるため、ねじれが過剰に大きくならないように注意しましょう。
スイングでのバットの出し方
2つめのポイントが、バットの出し方です。
上半身と下半身のねじれができた後、バットスイングへと移っていきますが、ここにも大切なポイントがあります。
バットの出し方は、スイングをする時の、押し手となる腕、肩甲骨、肩の使い方に連動します。
バットのスイングを始めた時の、体とバットの距離「慣性モーメント」に注目しましょう。
スイングを始めた時は、体とバットの距離である慣性モーメントを一定に保つようにします。
すぐにバットが体から離れてしまうと、後ろでバットの軌道の半径が大きくなってしまいます。
バットの軌道の半径が大きくなってしまうと、多様なコースや緩急を使った球種への対応が難しくなります。
スイング軌道の半径を小さくし、インサイドアウトのスイングで、多様なコース、球種に対応できるようにしましょう。
バットの軌道の半径を小さくするには、割れの状態から、右肘をお腹の方に寄せ、右肩を前に閉じるような動きをつくります。
この時、左肩や左肘が同時に開かないように注意しましょう。
これらの動作が連動して、うまくできるようになると、大きなフォロースルーで、強い打球を打ち返すことができるようになります。
バットの軌道はレベルスイング
3つめのポイントは、スイングの軌道です。
一昔前までは、少年野球の現場などで、ダウンスイングの指導が多く行われていました。
しかし、現代では、レベルスイングが推奨されることが増えています。
このレベルスイングは、“地面と平行に振るスイング”と認識されがちですが、ボールの軌道にまっすぐバットを入れるスイングのことを言います。
指導の現場では、レベルスイングを維持するために、「後ろの肩を下げるな」という言葉が使われますが、通常のスイングでは、前の肩に対して、後ろの肩が平行になることはありません。
例えば、インコース低めのボールを打つ際には、どうしても後ろの肩を下げなければ、対応するのが難しくなってしまいます。
しかし、高めのボールを打つ際には、後ろの肩を下げ過ぎるのも良くありません。
つまり、ボールの軌道にまっすぐバットを入れるためには、高さやコースによって、体の傾き角度を変える必要があり、バットスイングと体の回転の軌道を合わせることで対応します。
ボールのコースと、バットスイング、体の回転が一致しているかを確認するには、ピッチャーの方向から、インパクトの瞬間を確認してみましょう。
ボールに対して、両方の肩のラインと、バットの角度が一致していれば問題ありませんが、これが、ダウンスイングになって、バットの軌道がずれてしまうと、ボールに強い力を伝えることができません。
バットスイングの軌道がずれている場合は、それぞれのコースにポイントを置き、鏡で確認するなど、体の回転軸が合うように修正しましょう。
詳しくは、わかりやすく解説された動画をご確認ください。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=ytJ2vnrM-wM