ピッチャーのトレーニングやウォーミングアップに取り入れられる練習の一つに、プライオボールを使った練習があります。
プライオボールとは、アメリカのDriveline(ドライブライン)というメーカーが作っているボールで、重さの違うボールを使うことで肩肘のメンテナンスや球速アップが期待される野球ギアです。
ダルビッシュ投手が使っていることもあり、日本でも有名になりました。
このような重さが違う重量加減球は、プライオボール以外にもありますが、今回は、重さが違うボールを投げることで、どのような効果が見込めるのかを解説します。
重さの違うボールの効果
そもそも、重さが違うボールを投げることによって、故障のリスクがないのかという点においては、さまざまな議論がありましたが、メジャーリーグでも、トレーニングに取り入れたピッチャーが活躍したことで、一般的に広く認識されるようになりました。
試合で使用する硬式球の重さは、141.7〜148.8gで作られています。
一方、プライオボールは軽いものから重いものまで種類が分かれています。
人が、ある程度ボールをコントロールして投げることができるのは、人間の体の靭帯や筋肉、腱などには、固有感覚受容器というセンサーのようなものがあるためです。
このセンサーが働くことによって、例えばボールを投げる時に、正確な動作を繰り返し行うことができます。
プライオボールなどの重量加減球では、意図的に重さの違うボールを投げることによって、さまざまな状況であっても、投球の質を落とさないようにする感覚を身につけることができるようになります。
つまり、頭で考えて投げるのではなく、体の適応能力を最大限に生かすためのトレーニングになります。
この練習を取り入れることで、全身を使ったボールの投げ方などが自然と身につくのでオススメです。
重さが違うボールの注意点
重さが違うボールを投げることによって、得られるメリットはありますが、故障リスクが高まる可能性もありますので、誰でもオススメできる訳ではありません。
特に、上半身が遅れる選手は、肩肘に負担がかかりやすく、より腕の遅れが助長される可能性があります。
リリースポイントが安定しなかったり、上半身の動きに遅れがある選手は控えるようにしましょう。
動画ではさらに詳しく説明していますので、下記から動画をご覧ください。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=H846ipmuTaQ
野球肘・野球肩などを投球動作から根本的に治す治療家。
京都市・もり鍼灸整骨院の院長の他、野球教室などでも投球動作の指導を行う。
樟南高校で甲子園出場ベスト8進出・鹿児島県沖永良部島出身。