ピッチングフォームにおいての体の使い方に、『ヒップファースト』という言葉が使われることがあります。
ヒップファーストとは、意味はそのままに、お尻から先行した体重移動を伴うピッチングの動作です。
今回は、ピッチングの際のヒップファーストについて、間違ったヒップファーストを改善する方法と意識するべきポイントについて解説します。
ヒップファーストの投球動作とは
ヒップファーストは、野球の投手において基本的な動作です。
ヒップファーストでは、ピッチャーが踏み出す方の足を上げた時に、すぐに足を着地させるのではなく、お尻から体重移動を行います。
お尻から体重移動して、ステップを踏み出すことで、体重移動にパワーが生まれ、強いボールを投げることができるようになります。
しかし、ヒップファーストの言葉のイメージが先行し、間違った認識を持ってしまうことがあります。
例えば、お尻だけを投球方向に向けている、あるいは、踏み出す足の膝を後方に向けて体をひねるような意識を持つことです。
このような投げ方すべてが悪い訳ではありませんが、その部分だけに意識が強くなると、バランスを崩した投げ方になってしまう可能性があるため、本来のヒップファーストの意味を確認しておきましょう。
間違ったヒップファーストの作り方
お尻だけを投球方向に向ける投げ方
お尻だけを投球方向に向けるような投げ方をした場合、軸足の膝が内側に入る「knee-in」になることが多くなります。
踏み出す足を上げた時に後方に向けて体をひねる投げ方
踏み出す足の膝を後方に向けて体をひねる投げ方では、骨盤の後傾が過剰になってしまいます。
このような場合、軸足に溜めたエネルギーがうまく使えなかったり、体の開きが早くなり、バランスを崩してしまうなど、ピッチングに弊害が出てしまいます。
正しいヒップファーストをするためには、ヒップファーストを意識して行うのではなく、自然に起こることが理想になります。
そのため、どうすれば自然なヒップファーストができるのか、体の使い方を学ぶことが大切になります。
- お尻だけを投球方向に向ける投げ方
- 踏み出す足を上げた時に後方に向けて体をひねる投げ方
正しくヒップファーストを生み出す方法
正しいヒップファーストを作るためには、踏み出す足を上げた時に、両方の股関節に内旋の動作を入れます。
股関節に内旋の動作を入れることで、骨盤が閉まり、エネルギーを溜めることができます。
その内旋の動きがヒップファーストでは、重要なポイントになります。
この内旋の動きは、外からの見た目だけでは、判断しづらいため、簡単に内旋ができる練習方法を紹介します。
- ボールを股に挟む
- ボールが落ちないように足をまっすぐ上げる
- 膝は90度くらいまで上がるようにし上げ下げする
注意するべきポイントとして、足を上げる時に膝を内側に入れたり、体をひねらないようにしましょう。
また、体重移動をする際は、そのまま横に倒れるように心がけましょう。
動画ではさらに詳しく説明していますので、下記から動画をご覧ください。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=vsKwi_w3XqI
野球肘・野球肩などを投球動作から根本的に治す治療家。
京都市・もり鍼灸整骨院の院長の他、野球教室などでも投球動作の指導を行う。
樟南高校で甲子園出場ベスト8進出・鹿児島県沖永良部島出身。