良いピッチャーの条件として、コントロールの精度があります。
プロ野球など、高いレベルになると、打者を打ち取るために、ボール半個分のコントロールが必要とされます。
一方、少年野球では、最低限のコントロールがないがために、四死球やワイルドピッチで、まともな試合とならない場面も見受けられます。
コントロールの精度については、レベルが高くなるほど繊細な要素が求められれますが、今回の記事では、ピッチャーがコントロールを良くするために、最も大切なポイントと練習方法について解説します。
細かいコントロールの前に、まずは、基礎的なポイントを習得した上で、さらなるステップアップを目指しましょう。
コントロールが悪い原因
そもそも、コントロールが悪い原因は何でしょうか?
様々な原因が考えられますが、その中でも、コントロールが悪い原因として、リリースポイントを挙げる方が多くいます。
確かに、リリースポイントは重要な要素に違いありませんが、リリースポイントは、コントロールの最終段階の要素で、その前にもっと基礎的なポイントがあります。
そのポイントとは、“自分の体をコントロールする”ということです。
リリースポイントだけを追い求めても、そもそも、土台となる下半身の安定性が備わっていなければ、リリースポイントは投げる度に変わってしまいます。
また、同じ投球動作を繰り返し再現できるのか?という再現性もコントロールの精度に影響します。
つまり、ピッチングの土台である下半身の安定性と、同じ投球動作を常に繰り返す再現性ができるかといった、自分の体のコントロールを習得することが先決です。
自分の体をコントロールするための3つのポイント
具体的に、自分の体をコントロールするためのポイントをまとめると、次の3つになります。
- 軸足の安定感
- 踏み出し足の安定感
- 動作の再現性
これら3つのポイントがしっかりしていれば、コントロールの精度が上がります。
軸足の安定性
ピッチャーが投球動作に入る際、体重移動のエネルギーを生むために、踏み出し足を高く上げますが、踏み出し足を上げた時に、軸足が安定していることが重要です。
この時に、軸足が安定せず、フラついてしまったり、体重移動の方向とは、違った方向に重心が向かってしまうと、下半身のバランスが崩れ、コントロールが乱れる原因となります。
まずは、平坦なところで、軸足一本でまっすぐ立つことができるかを確認しましょう。
踏み出し足の安定性
軸足の安定感の次は、踏み出し足の安定感です。
踏み出し足を着地させ、しっかりと体重を支えて踏ん張ることができるかが重要です。
踏み出し足の着地後にバランスが悪いようでは、コントロールも安定しません。
踏み出し足の着地する場所や、股関節、膝の角度が過剰な負担がかかっていないかを確認しましょう。
再現性
再現性とは、何度も繰り返し同じ動作ができるかということです。
例えば、バッターの場合は、相手ピッチャーが投げる球種やコースによって、タイミングがずれたり、体勢を崩されて打つことがあります。
しかし、ピッチャーは、基本的に自分の好きなタイミングで投げることができます。
自分が好きなタイミングで投げることができる中で、同じ動作を繰り返して再現できるかが重要なポイントです。
ビデオカメラやスマートフォンで、自分のピッチングフォームを撮影し、同じピッチングフォームで投げることができているかを確認してみましょう。
コントロール改善のための練習方法
軸足の安定性を高める股関節トレーニング その1
軸足の安定性を高めるためには、踏み出し足を上げた際に、股関節を内旋させて骨盤を締める動作が必要です。
練習方法は、ボールを股の間に挟み、ボールが落ちないように踏み出し足の上げ下げを繰り返します。
この時、踏み出し足は90度くらいの位置まで上がるようにしましょう。
股関節が固い選手は、90度まで膝を上げるのが難しい場合があります。
その場合は、ピッチングにおいても、踏み出し足を高く上げすぎないようにする ことで、バランスを崩さずに投げることができます。
無理に足を大きく上げないようにしましょう。
軸足の安定性を高める股関節トレーニング その2
もう1つの軸足を安定させるトレーニングを紹介します。
まず、踏み出し足を上げた状態をつくります。
その状態から、重心は軸足のまま、踏み出し足はそっと踏み出す方向へ伸ばし、遠くに軽くタッチします。
そして、また踏み出し足を上げた状態に戻します。
この時、膝が内側に入ったり、上半身が倒れないように注意しましょう。
この動作を繰り返すことで、軸足の安定性を高めることができます。
踏み出し足の安定性を高める練習
次に、踏み出し足の安定性を高める練習です。
まず、踏み出し足一本で立った状態から、投げた後のように、上体を前に倒します。
そして、軸足は、後ろにあげながら、踏み出し足のつま先をタッチします。
この時、踏み出し足は曲げすぎないようにし、股関節は内旋させるようにします。
この動作を繰り返すことで、踏み出し足の安定性を高めることができます。
最後に、再現性については、まずは、上記のトレーニングで同じ動きを繰り返すことからはじめましょう。
また、実際の投球動作においても、ピッチングフォームの撮影と確認を繰り返し、同じフォームで投げることができるよう練習しましょう。
以上、今回は、ピッチャーがコントロールを良くするために、最も大切なポイントと練習方法について解説しました。
詳しくは、動画をご覧ください。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=PJkVGNAClog